ペンギン新聞 第2回
歩行テスト


 

更に、準備は続きます。手袋ですが、これも上陸時に濡れる可能性があるので二重の物を用意しました。アッパーは防水性の強いもので、インナーはカメラが扱い易いようバックスキンとフリースを組み合わせた薄手のものを選びました。靴下は歩いた時にブーツのなかでたぐくまったりすると気持ち悪いので、実際に何種類か履いて歩行テストをして歩いてもずれてこないものを選びました。こんな風に書くととても几帳面な性格のように思われそうですが、こんなことをしたのは生まれて初めてです。普段は行き当たりバッタリを信条にしているのですが、さすがに南極でバッタリはまずいと思ったわけです。
ウェアーを頭の方からチェックすると、こんな感じになります。まず帽子はスキーで使っているフリースのものと、ウールのニットもの。上着はダウンの下はフリースのスウェーター、その下はタートルのインナーの合計3枚。ボトムはこれもかなり迷ったのですが、結局防寒と防水機能を兼ね備えたスキー用のパンツを選びました。インナーはこれも奥が深いのですが、登山用の物がかなり充実していて極寒地用のヘビーな物からライトな物まで3種類のグレードを、実際1日着て試してみました。南極に持っていったのはヘビーとミディアムですが、ライトな物はタウンユースには最高でした。サラっとした肌触りなのに暖かく、汗をかいてもサラサラのまんまというスグレモノです。山で遭難したときに木綿の肌着の人は死んだけど、シンセティックの人は助かったと言うぐらい今やインナーは化学繊維の時代です。色やデザインもタウンユース出来るぐらい結構オシャレでおすすめです。
ウェアが整ったところでようやく本職のカメラ機材に移ります。今回は仕事ではないのでアシスタントがいないため、機材は自分で持てる35ミリの一眼レフ・キャノンEOSにしぼりました。ボディー2台、レンズは6本です。レンズは1本だけ単レンズですが残り5本は全てズームレンズで、20〜35ミリ・28〜135ミリ・70〜300ミリの3本をメインに使用し、2本は壊れた時のスペアです。このスペアというのは使わなくて当たり前で邪魔な存在なのですが、プロにとっては絶対無視出来ないものです。それと大事な撮影の時ほど使いなれた機材を使い、新しいものは持って行かない事も大切です。つい新しい物を買って持って行きたくなるのですが、必ず何か失敗します。考えてみればプロゴルファーが買ったばかりのクラブでいきなりツアーに出たりしないですよネ。今回は気温の低い所に行くと言うことで電池の消耗が心配なので、予備電池を6本持ってゆきました。まだまだ細かな準備は色々あるのですが、いつまでたっても出発できないのでいよいよ次回は出発です!

 
       
     
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