ペンギン新聞 第3回
ついに出発


 

いよいよ出発の日がきました。集合場所の成田第一ターミナル団体受付Gカウンター前には、約40人程の人々が集まっていました。集まった人達の顔ぶれはといえば、これはもうバラバラの一言。まず年齢層は予想通り高めで、50代〜60代が主流。一目見て一癖も二癖もありそうなオジサン、オバサン達に20代の学生風が数人混じっているのは、やはり478000円のせいでしょうか?これに新婚3組等を加え極めて平均年令の出しにくい不思議な集団が出来上がりました。この不思議集団を引率する添乗員2名も又かなりマニアックな雰囲気。添乗員I氏は南極行き数回の経験を持ち、昨年はロシアの砕氷船で北極点まで到達。その時なにか悟りを開いたらしく、詩人になって帰って来たとH社内で評判になった人物。もう一人のK嬢は,これは又南極に添乗で行くとは思えない半袖のTシャツ1枚の渋谷あたりにいそうな20代の女の子。ちなみに、集合時刻の5分前には添乗員は2名ともまだ来てなかった!
南極までの第一歩はまずノースウエストでニューヨークまで約12時間のフライト。この位の長さだと、時々席を立って歩き回った方が疲れないので通路側の席を指定。かなり後方の席だったので両サイドは窓側と通路側の2座席しかなく、ラッキーなことに窓側は空席。これは殆どビジネスクラス、飛び立ったら窓側に移ってのんびりしよう、と思っていたところ離陸寸前に変なオヤジが乱入。窓から外の写真が撮りたいのでちょっと失礼、とか何とかとか言っていきなり人を乗り越え窓側の席に陣取ってしまった!はじめは離陸直後の東京の空からの写真でも撮りたいのかと思いあきらめていると、このオヤジいつまでたっても自分の席にもどる気配無し。ただやたらスミマセンを連発し愛想をふりまき、まるで選挙中の政治家のようでこれはもうタマラナイ。普段は温厚?な僕もさすがにたまらず、「いつ席に戻るのですか?」と聞いてしまいました。「じつはアメリカ大陸の写真が撮りたいのです。」??!じゃあずっとここに居るつもり、このオヤジ?!!結局ニューヨークまで12時間あまり、このオヤジはついに窓側に陣取ったまま。おまけにアメリカ大陸上空は曇っていて一枚も写真は撮れず、最後に思っていた風景と違ったとか何とかしどろもどろの言い訳をして席を立ちました。後で分かったのですがこのオヤジも実は同じツアーの一員で、南極に着く前にカメラを水の中に落としてしまい、写真が一枚も撮れなかったというオチがついています。

ニューヨークJFK空港では約6時間の待ち合わせ。空港内をブラブラしていると、「あの〜スミマセン」と不安そうな顔が目の前に、、、。「僕、じつは初めての海外旅行なので、、、、。色々不安で、、、、。」目の前には金太郎のような顔をした学生が立っていました。エ?はじめての旅行が南極かよ〜!?という言葉を胸にしまい、金太郎君の質問に答えつつ、これって添乗員の仕事じゃないの?という言葉も胸にしまいつつ、なにか大変な旅になりそうな予感をひしひしと感じていました。
 
       
     
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