ペンギン新聞 第4回
ブエノスアイレス


 

眼下にはブエノスアイレスの街がひろがっています。ニューヨークで飛行機を乗り換えて約10時間、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにようやく辿り着きました。日本とは丁度正反対に位置するアルゼンチンは今が真夏で時差も丁度12時間、ということは昼と夜が真っ逆様。おまけに東京を出発してから28時間も飛行機に乗り続け、本当なら夜なのに現地時刻はまだ朝の7時すぎ。すぐにでもベッドに入って休みたいけど、パッケージツアーはそんなには甘くありません。団体旅行客が朝の7時にチェックイン出来るわけはなく、従って市内観光という名の時間稼ぎが待っていました。
ブエノスアイレスの印象は一言でいって、意外とモダンでキレイ。あの映画「ブエノスアイレス」の強烈な印象もあり、もっと歌舞伎町的でうらぶれた感じをイメージしていたのですが、明るい雰囲気にややびっくり。それでも内装が木造の地下鉄が走っていたり、50台に1台位の割りでしか走っていない冷房付きのタクシーに誇らしげに書いてある「冷房中」のサインを見ると、20〜30年位は昔の感じ。どこに似てるかといえば、東欧ブタペストあたりを明るくした様な感じかなぁ。市内観光の例に漏れず議事堂だの**広場だのと連れ回され、おまけに何か手違いがあったらしくランチにありつけたのが3時近くで、6時には夕食それもアルゼンチンまで来て最初のディナーが和食とは、、。(このあたりの評価は難しいところで、旅行者サイドでは長旅で疲れているので年寄りには和食のほうが、、、といった配慮があったらしい。)でも考えてみれば南極まで行こうと言うのだから並みの年寄りではなく、せっかくアルゼンチンに来たのだから名物の肉料理を食わせろという意見が噴出。早くも不協和音が聞かれる滑り出しとなりました。
不協和音はツアー客同士にも飛び火。まず市内観光中に集合時間に5分程遅れた学生風の2人が、オバサン軍団の攻撃の対象になりました。「全く若い人はルーズなのよね〜。ほんと、皆が迷惑するんだから〜。」と,声だかに非難のつぶて。それも<若い人>と<ルーズ>を交互に連発し、まるで若いことが悪いかのような執拗な口撃。この後、一同集合時間には神経質になっていたところにヤギヒゲじいさん事件が勃発。顎にヤギのようなビゲをはやした通称ヤギヒゲは、集合時間を15分も過ぎてもバスに戻らず遂に添乗員が一人残ってバスは出発するという事件が発生。ヤギビゲは結局この1回のミスで以後ボケ老人のレッテルを貼られてしまった!これはもう、はっきりいって殆どイジメの世界。どうやらこのツアー、フィジカルな強さのみならずメンタルな強さもなければ生き残れない、サバイバルツアーの様相を呈してきました。

 
       
     
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