ペンギン新聞 第12回
ダイエット・ツアー


 

足が短い!それも決定的に短い!岩場を歩いてる時もかなりヨタヨタ歩きにくそうにしてるな、と思ったけど結局伸ばした足が下に着かないので、しょっちゅう転ぶんだ!! 昼間泳いでる時の凛々しい姿を見て、思わず尊敬の念さえ抱いていたのに、、。この無様にコケる姿を目の当たりにすると、上昇したペンギン株は一気に急降下。だいたいオマエタチは、野生動物のくせに全然緊張感がない!突然見知らぬ大型動物がズカズカと自分の家に押し入ってきたというのに、威嚇もしなければ逃げもしない。どうかすると、仲間と間違えて人の後ろをついてきたり、。相当目が悪いのか、頭が悪いのか、それとも性格がいいのか、?ま、兎に角おっとりしてて、育ちは良さそう。
結局この日は殆ど暗くなるまで2時間余りペンギンのお宅で過ごし、皆すっかり満足して船に戻りました。久しぶりに揺れない船の上で、おまけに初上陸の興奮の余韻も伴ってその夜のディナーは華やいだ雰囲気に包まれました。バイキング・スタイルの料理も本当に盛り沢山。それもそのはず、3日続いた激しい揺れでその間ろくな食事も出なかったから、かなり材料も余っていた筈。テーブルを見渡すとほぼ全員揃っていて、そういえば出航以来久しぶりに見る顔もかなりいる。この3日間部屋から1歩も出られず、殆ど何も食べられなかった人もかなりいたみたい。後で聞いたところでは2〜3キロ痩せたという人もいて、これは思わぬダイエット・ツアー。来年はH社にこの企画出してみようかな、「南極クルーズ・全食事ヌキ 只寝ているだけで簡単に2〜3キロ痩せられます!」
翌朝の上陸は、僕のグループが一番手。上陸は2台のゾディアックに各10名位が分乗して船と上陸地とをピストン輸送します。この時90名全員を運ぶのにはかなり時間が掛かるので、不公平にならないよう毎回順序が変わるようシフトが組まれています。帰りは船に戻りたい人が集まり次第、グループに関係なく戻れるようなシステムなので、一番目に上陸するグループの人は最も長く滞在できるわけです。おまけに最初に上陸出来ればまだ誰もいないので,思いっきりヒキの写真(広角レンズで全景を撮るような写真のこと)を撮るチャンス。というのは、沢山の人が同じ場所に上陸するので折角キレイな風景だなぁと思ってもワイド・レンズで撮ると、画面の何処かに人が入ってしまい自由に撮れません。そこで、今回はまず他の人達が上陸する前にヒキの写真を撮りまくり、混んできたらヨリの写真(クローズアップの写真)を狙うという作戦でゆくことにしました。僕はカメラにワイド・ズームをセットしゾディアックが着岸するやいなや、一目散に丘の上のルッカリーを目指しました。

 
       
     
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