ペンギン新聞 第14回
SEX婚


 

3メートル、2メートル?、1メートル?!、、、。全然逃げません。ピクリとも動かず、まるで<ぬいぐるみ>みたい。手を伸ばせば触れる50センチ位まで近寄っても、全く警戒の素振りもナシ。なんだったの、いままでの努力。ペンギンのウンチで汚れた岩の上を匍匐前進してきたこの忍耐と努力をあざ笑うかのような、警戒心の無さ。南極ではヒナをかかえる親鳥でさえも警戒心ゼロ、つまり天敵が少なくて安全という事なのでしょう。陸上での天敵は盗賊カモメ位なのですが、なんとペンギンは4000〜5000万年位前にそのカモメから進化したといわれています。空を飛べるカモメが飛べないペンギンになるのが何で進化なの?とペンギンに尋ねたところ、「空には魚がいない」と言ってました〜。以前ペンギンはかなり目が悪そう、と書いたのですがじつはド近眼でかなりの数のペンギン達はメガネをかけています?そんなわけないか。水中では青や緑色に敏感で、これは主食のオキアミが青緑色を発するから。陸上ではかなりトロい彼らも水中では時速20キロぐらいで泳ぎ、これは自転車位のスピードで水中ではかなり早い方。大型のエンペラーペンギンクラスになると20分ぐらい潜り続け200〜300メートル位の深さまで潜れます。今、目の前にいるアデリーペンギンの平均身長は約70センチ、体重は5キロ位。一番大型のエンペラーペンギン(首のところが黄色くてカラフルなやつ)の身長は1メートル以上、体重は30キロ位あります。
ここでペンギン達の私生活にちょっと立ち入ると、これが見かけによらずかなり衝撃的!ゼンツーペンギンの場合、繁殖期以外は夫婦別居。つまりSEXするとき以外は別居というわけで、これはもう[週末婚]なんてもんじゃない、名付けて[SEX婚?]。ちなみに、1年後にお互いに生きていれば再会するものの(年間の生存率は70〜80%)離婚率は50%。6年以上夫婦でいることは無いらしいです。ヒゲペンギンの場合は更に過激です。別居して1年後元の家に戻って再会するのですが、まず男(オス)が先に家に戻り女(メス)を待ちます。ずっと待っているわけではなく、5日間だけ待ちます。「なぜたった5日しか待ってくれないの?」とか「本当にペンギンが何月何日にここで待ってる。なんて約束するのか?」とか、いろいろ疑問はあると思いますが兎に角去年の想い出の場所で男(オス)は、しょっちゅう腕時計を見たりタバコを吸ったりしながら女を待つわけです。5日待っても女が帰ってこない場合、男はあきらめて(ペンギンによっては「ラッキー!」って思う奴もいるかもしれないけど)新しい女を探します。ところが何かの手違いで、新しい女をつくってしまった後で昔の女が帰ってきた場合、どうなると思います?これはもう修羅場!女同士の取っ組み合いになり、勝った方の女が、負けた方を坂の上から突き落とす!と、これはもうワイドショーの世界。まったくカワイイ顔して、女はこ・わ・い。これ、ペンギンの話です、ハイ。それにしても、こんなこと6年以上かかって調べるヒマ人がいるわけで、そんな人のことを世間では[学者]と呼ぶらしい。

 
       
     
  BACK NEXT  
TOP   サイトマップ mail facebook

2012 Muy Corporation, All rights reserved.
Page created and maintained by Sugi.