夜になっても強風が吹き荒れています。船内では南極の氷でつくったオン・ザ・ロックを片手に、ワイワイ、ガヤガヤ。早くも、次の旅行の話をしている人達もいます。僕は南極の星空を見ながら音楽が聞いてみたくて、デッキに出てみました。相変わらず風は強いものの空は晴れわたり、満天の星空。ここは南半球なので当然日本で見る夜空とは全然ちがって、見慣れた北斗七星や北極星も見えません。そのかわり[十字]というには少しゆがんだ南十字星・サザンクロスが輝いています。南半球の星空といえばマダガスカルのサント・メリー島で見た星空も素晴らしかったナ。10分に１個位の割合で流れ星が流れて、これならもしかしたら願い事言えるかもしれないと思って、出来るだけ短いフレーズを考えたりして、、。何をお願いしようかと色々考えて、結局 運が良いのが一番かなと思い「ラッキー」でゆくことにしました。流れたら即言うゾ、と待っていたらすぐ流れて、言えたんです！生まれて初めて、それも１発で。それ以来なんか運が良いような気がするんだけど、、、。
同じ南半球でも、サハラ砂漠で見た星空は一生忘れられません。昼間は毎日砂嵐のように風が吹き荒れているのですが、夜になると決まってパタッと止んでしまいます。僕は真っ暗な砂丘に寝転び、信じられない位たくさんの星がまたたく夜空を見上げていました。星のまたたく音が聞こえてきそうな、そんな夜でした。僕はそこで不思議な体験をしたのです。満天の夜空に輝く星を見つめていた僕の身体が、スゥーと宙に浮いて星空の彼方に吸い込まれてゆく、そんな感じでした。その時僕は初めて自分の身体を有機体として、実感できたのです。自分の肉体以外全て無機質の砂漠の真っ只中で、自分の身体が「生き物」だと感じられたのです。それは、とても不思議な感覚でした。そんな体験があったので、僕は南極でも星空を見るのを楽しみにしていたのですが、残念ながら特別なことは起こりませんでした。あるいは、船の上からではなく陸地から見れば又違っていたかもしれませんが、、、。
翌日になっても荒天は収まらず、比較的波の穏やかな湾内にある基地を訪ねたり、海岸に温泉が湧き出ているところへ上陸したりして、南極滞在予定の最後の一日も終わってしまいました。結局ペンギンのお宅訪問は、たったの３回。天気が良ければ倍は出来た筈なのですが、まあ半額ツアーだから仕方ないか。何でも単価計算するのは悪い癖だけど、ちなみにツアー代金約48万円としてペンギン宅訪問１回当たり16万円！ンム、かなり高い水族館だな〜！！ |
