らくだ新聞 第7回
ミナレットが!


 

お目当てのティラカリ・メドレセの撮影を終えて外に出ると、まだ戸外はグラグラするような暑さです。広場でウロウロしていると、又警備員が近づいてきました。何か言われるのかなぁ、と思ってちょっと警戒していると「ミナレットに登らないか?」という誘いでした。ミナレットというのはモスク(礼拝所)などの脇に建っている細長い塔で、礼拝の時刻を伝える時などに使われます。ここのミナレットは一般に開放されてないのですが、どうやら好意で見せてあげようという事のようです。「ラッキー!」と思い、二つ返事でOKして早速登ることにしました。警備員が先頭にたって道案内してくれたので後について行くと、ミナレットの内部はまるで大地震の後のような瓦礫の山。人がようやく一人登れる位の狭い螺旋階段は完全に壊れて、ただの坂になっています。おまけに窓が全くないので殆ど真っ暗。僕はといえば、片手に三脚、片手にカメラを持ち、肩にはカメラバッグを提げて、スタスタと登ってゆく警備員について行くのに必死。なんとかコケずに頂上まで辿り着いたものの、暑さとホコリと急な登りでもうゼイゼイ。おまけに肝心のてっぺんからの景色は全然たいしたことなくて、お義理に1枚シャッターを切っただけで引き上げてきました。こんなところまで案内してくれて悪いから100スム位あげてもいいなぁと思っていると、下まで降りたところで5ドル(4000スム)欲しいと切り出されました。「エッ、5ドル!なんと法外な、、、。いくら外人だからって、あまりにもそれはボッタクリ。」と思った僕は、とっさに「お金もってないよ。」と反撃。警備員にしたところで、これは「違法好意」じゃなかった違法行為なので、強くは出られないだろうとタカをくくっていたのです。「お金がない。」と言われてどう反撃してくるのかなぁ?大抵の場合こういう時は、向こうが値段を下げてくるのですが、、、。ところが、ところが、、。なんと「お金がない。」と言ったら「ぁ、そう。」と言ってあっさり引き下がってしまいました。「これ、どういうこと?」とりあえず言ってみただけなのかなぁ?僕は拍子抜けして、初めにあげようと思っていた100スムを差し出すと、「いいよ。」と言って受け取りません。ほんとにお金持ってないって思われたのかなぁ??帰り際になにげなくさっき登ったミナレットを見上げると、、、ゲゲッ!傾いてる!!尖塔の真ん中あたりからグニャッという感じで、かなり傾いているのです。どうりで、螺旋階段が瓦礫の山になってる筈だ。あんなとこ人が登ってたら、そのうち倒れちゃうんじゃないの??

 
       
     
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