らくだ新聞 第10回
裸足のドライバー


 

次の目的地ブハラへ向かう日が来ました。今回は国内の移動も全て日本で手配しておいたのですが、サマルカンドで現地の旅行代理店に確認したところかなりいい加減な事になっていました。この日もブハラまでは車を用意してあるというので安心していたのですが、迎えに来た車に乗ると連れていかれたのは乗り合いタクシー乗り場でした。僕はてっきりタクシーがチャーターしてあるものだと思っていたのですが、どうやらその場で相乗りのタクシーを捜すつもりのようです。代理店の人が色々交渉しているようですが、30分たっても1時間たってもいっこうにまとまりません。乗り合いなので、人数が集まらないと出発しないようです。メチャクチャ暑い車の中で1時間程じっと我慢して待っていたのですが、何時になったら出発できるかわからないので、僕は「4人分払うから出発してよ。」と切り出しました。いざとなればお金で全て片がつくのは、物価の安い国の良いところ。こういうときは経済大国の威力を使ってサッサと切り抜けるのも、方便というものです。ちなみな僕が払った4人分のタクシー代は全部で13000スム(2000円弱)。交渉が成立したとたんに、アッというまに出発。運転手はクラクションを鳴らしながら、物凄いスピードで疾走します。スピードメーターは200キロを振り切っています!ただどう考えてもこのボロ車で本当に200キロは出るわけないけど、ボロ車だけにかなりコワ~イ!ふと足元を見ると、なんと裸足で運転しています。なんだ、こいつ!?クレージーなタクシードライバーと言えば、僕が知ってる限りではインドが一番。兎に角走ってる間中、ず~とクラクション鳴らしっぱなしで全力疾走。インドのタクシーはクラクションが一番最初に壊れること間違いナシ。ここはそれに次ぐ神風度。昔は日本のタクシーもかなり荒かったけど、最近はトロいタクシーが増えたなぁ。荒れ狂ったように1時間半程走ったところで、運転手は突然車を止めて外に出たかと思ったらズボンを脱ぎ始めました。エッ?と思ってあっけにとられて見ていると、ショートパンツに穿きかえています。車に戻った運転手の説明によると、これから行くブハラは暑~いからとのこと。そう言えば車から降りた時、確か靴はいてたけどもしかしてこのタクシー、[土禁]なのかなぁ??ショートパンツにはきかえて、更にぶっ飛ばすこと1時間。裸足のアイルトン・セナ(というよりアリ・バタネン)はバスだと5~6時間かかるサマルカンドーブハラ間を、たった2時間半で走りきりました。

 
       
     
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