らくだ新聞 第11回
ブラハの旧市街


 

ブハラでの見どころは旧市街に集中しています。僕は撮影の便を考えて、旧市街にあるサーシャ&ソンというお金持ちの民家を改造した小さなホテルに泊まる事にしました。パティオを囲むように建てられた二階建てのホテルは、一部屋ずつ全て違った造りでインテリアもウズベキ風。僕はシングルルームを頼んだので、小さな部屋をあてがわれてしまいましたが、ダブルの部屋はかなり広くて豪華でした。ダイニングルームは言うに及ばず、廊下の壁面や天井にまでこれでもかと言うぐらいイスラム紋様が描かれていて、普通のホテルでは味わえないイスラム気分を満喫できます。もちろんちゃんと冷房も入っているし、冷蔵庫まであってこれはかなり便利でした。と、言うのも兎に角昼間はかなり暑いので、水は必携品。前の晩冷蔵庫でミネラル・ウォーターをボトルごと凍らせて、出かける時にボトル・カバー(百円ショップで買った内側にアルミが貼ってあるすぐれもの)をして持って出ると、これがたまらなくうま~い!40度を超える猛暑でも、楽に一日もつんです。暑い所へ旅する方にはオススメです。ブハラは中央アジアのみならずイスラム世界全体の文化的中心として長い歴史を持った街です。その繁栄は9世紀のサマン朝時代に始まりますが、13世紀にジンギス・ハーンの来襲で一旦終わりを告げます。その後16世紀に再び甦り、たくさんのモスクやメドレセが建造されました。現在のブハラの街はその時のもので、ほとんど当時のまま変化していないということです。僕はホテルに荷物を預け、早速ブハラの街を歩いてみる事にしました。ブハラの街はサマルカンドに比べるとかなり小さく、主な見どころは半径1キロ位の中に入ってしまう位コンパクトです。ホテルを出て1分も歩かない内に、最初の見どころナディール・ディヴァンベギ・メドレセという舌を噛みそうなメドレセがあります。このメドレセの最大の特徴は、イスラム建築なのに具象画が描かれている事です。正面入り口には極彩色のタイルで太陽と2羽の鳳凰が描かれていて、太陽にはなんと顔が描かれています。その顔がなんか金太郎さんみたいで、笑っちゃうんですよね。イスラム世界で具象画がどれほど異端かは、最近話題になっているバーミアン(中華のファミレスじゃなくて)の石仏が、偶像崇拝を否定するイスラム過激派に破壊された事でもわかると思います。イスラムの教義に反してまで何故こんなタイル画を描いたかというと、時の支配者が権力を誇示するために逆らったという説もあるようです。宗教という絶対的価値観は、自らの権力を絶対だと考える支配者にとって相反するものなのかも知れません。ただ、宗教と政治権力が結託した時の恐ろしさを考えると、宗教に逆らった時の支配者は、「俺の方が偉いんだぞ~!」と強がっているガキ大将みたいでカワイイかも、、。ま、本人に聞いたわけではないので、誰にも本当の理由はわかりませ~ん。

 
       
     
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