らくだ新聞 第17回
イチャンカラの幻想


 

ホラズム帝国の都として繁栄を誇ったヒバの城塞イチャン・カラは、ウズベキスタンが誇る3つの世界遺産の内の一つです。僕のイメージでは砂漠の中に忽然と 現れるのを想像していたのですが、これではまるで田舎の遊園地。周囲にはお土産物屋が立ち並び、入り口からぞろぞろ観光客が入って行きます。門をくぐる と、城の中にも土産物屋が軒を連ね、呼び込みの声が響いていました。僕はイメージとのギャップに、かなりがっかりしていたのですがとりあえずホテルに チェック・インしてひと休みすることにしました。ホテルはメドレセ(神学校)を改装してそのまま宿泊できるようにしたもので、基本的にはイスラムの修業僧 が使っていた部屋そのものです。窓はなくて二重構造の壁の間隔は2メートル位のあるので、外気温が45度位あるのに部屋の内部は肌寒いくらい涼しく快適で す。インテリアはベッドが二つと机があるだけの簡素なつくりですが、広さは15畳位ありかなり大きなシャワールームが別についています。ただし、シャワー の水が出るのは一日3~4時間しかありません。オアシスとはいえ、ここは砂漠の真ん中。かなり給水制限されているようです。このホテルはイチャンカラ(内 城)の中にあり、ムハマド・アミン・ハーンと呼ばれるこのメドレセ自体が世界遺産です。つまり、これから3日間僕は世界遺産の中で寝る事になるわけです。 イチャンカラは東西400m・南北650m程の小さな城ですが、その中には見どころがたっぷり詰まっています。ホテルの入り口の脇にはカタル・ミナレット という未完成の大きなミナレットがあります。高さは26mしかありませんが、基礎の部分の直径が14mあまりあることから、完成すればおそらく7~80m の巨大ミナレットになるはずでした。ちなみにヒバで一番高いイスラーム・フッジャ・ミナレットは45mで、基底部の直径は9.5mです。青のタイルで覆わ れた太くて短いミナレットは、まるで原子力発電所の煙突のような不気味な存在感がありました。イチャンカラでの僕のお目当ては、タシュ・ハウリ宮殿です。 1838年に建てられたアラクリ・ハーンの居城で、壁面、天井から軒先にいたるまでの美しい装飾は圧巻です。中でも天井の梁に描かれた花の模様は、ぬくも りを感じる優しい美しさがあってとても好きになりました。実はこの宮殿には163室もあるハーレムがあって、4人の正妻と常時40人の選りすぐりの美女が いた!のだそうです。僕が気に入った花模様も、ハーレムの部屋に描かれていたものでした、、、、。

 
       
     
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